推し武道が待ちきれず平尾アウリ先生の単行本を一通り読んでしまったので一通り紹介する
一通り読んだと思います。
読んだはず。
紹介しているものは多分現在でも(最悪電子書籍で)購入できるもの、という認識です。
なにしろ僕が買えたので。
万一タッチの差で売り切れてたらごめんなさい。
中古もあると思いますが平尾アウリせんせーにお金が入らないと意味がないのであんまりおすすめはしません。
全体を通じて
平尾アウリせんせーの作品の魅力。
それはなんといっても、キャラクターの顔が良いことと狂気すら感じる独特のギャグセンスに尽きると思っています。
個人の意見です
特にギャグに関しては謎の中毒性があり、たとえばこれを書いているアルパカの場合は推し武道の続刊を読みたい!!という衝動をギャグ多めの他作品を摂取することで押さえ込むことに成功しています。
とはいえ、そのギャグの要素に関しては作品によってその濃度がまちまちで、なかにはギャグが全くないせいで逆に不安になるものも存在します。
長くなりましたが、要するに平尾アウリせんせーの作品群はこのギャグ成分の含有率によってある程度分類することが可能です。
そして人によってあのギャグがどれくらい含まれているのが好みかというのも別れてくるはず。
というわけで過去作について、ギャグの濃度という観点で紹介していきます。
並盛
まんがの作り方
言わずと知れた(?)デビュー作、漫画家と漫画家の百合を描いた物語。
全8巻です。
真面目な紹介は推し武道原作に差し込まれた広告などでも見ることができますのでそちらに譲るとしますが。
ギャグという観点で見ると推し武道と同じくバランスタイプです。
こちらは主人公が恋人同士なので恋愛要素は多めですがそれでもあくまで多めの範疇。
なんというか「恋愛要素もあるギャグマンガ」としても「ギャグも楽しめる百合マンガ」としても違和感なく楽しめます。
インタビューを見ると「親も読んでるのを知ってた」とのことで、特に恋愛要素に関してはいろいろと手加減(?)したらしいのですが、そこでどっちつかずではなくどちらの要素も魅力的に仕上がってるのがすごいところですね。
4月1日
未発表の過去作をまとめた短編集です。
作品のベクトルは様々ですが、今風の言葉で言うといずれも「エモい」になるでしょうか。
作品ごとに作者のコメントがついていて、だいたい恥ずかしそうにしています(あるいは一周して突き抜けているか)。
そのあたりと合わせて、「若いなあ……」みたいな面映さを楽しむ作品と言えます。
特に表題作の4月1日は本当に意味がわからないんだけど面白いのでおすすめです……。
あと、あとがきがまんがの作り方になってます。
小盛
ここに挙げるのは2つ。
どちらも東京の街にスポットを当てた群像劇です。
登場人物の視点を次々に切り替えて、さまざまな角度から物語が描かれていきます。
「このときこいつはこう思ってた」だの、「こいつ視点もあるんかい」だの、いろいろ考えて読み返すのが楽しいです。
OとKのあいだ
秋葉原のメイドカフェが中心の物語。
冒頭で主人公が脱ぐのが見どころです
舞台がヲタクタウンなだけあり、ヲタクにはいろいろと馴染み深く水が合う作品です。
そのせいもあるかとは思いますが話としてもわりかしがっつり恋愛ものしていて個人的には一番好きだしおすすめです。
なお、百合はほぼありません。
ヲタクの描き方も同じ作者らしさがにじみ出ていて、一部のキャラはなんというか既視感がすごいです。
そのへんもおすすめ。
一つ残念なのが、紙の本は市場では中古しかないっぽいということですね。
アルパカは涙をのんで電子書籍で済ませています。
今日も渋谷のはじっこで
こちらはタイトル通り、リア充のスラム街である渋谷が舞台。
こちらも百合はありません。
(偏見ですけど)渋谷が舞台なだけあって扱うネタも仕事の悩みのような現実的なものだったり売りやら風俗やらとなんというかヲタクには少々刺激が強く、全体的にオトナな感じがします。
とはいえとっつきにくいかと言われればそんなことはなく、ふんわりと渋谷に対するイメージがあればそれで十分入っていけるはず。
秋葉原の方もそうなんですけど、登場人物はみんな「その街に通う」側の人なので、街自体に馴染みがなくてもなんとなく共感できるみたいなところがあります。
綺麗な平尾アウリ
いや、ご本人もマンガもどちらも綺麗ですけども。
夏の空、君と見た夢
原作小説をもとにしたコミカライズ作品です。
残念ながら肝心のマンガの方は中古しかなく、電子書籍もなかったので中古で買いました。
第一案の時点ではどうだったのかわかりませんけども、少なくとも最終形である本作品はなんか悪いものでも食べたのかと不安になるレベルでギャグを封印して、小説を読んでることをほぼ前提にした説明少なめの雰囲気に振りまくった描写で殴りかかってきます。
ある意味ではいつも通りですね。
小説を読まなくても楽しめますが、地の文で半ページくらいに渡る「その1コマに至るまでの心理描写」がそのコマに詰め込まれていたりするので正確に読み取るのはなかなか難しいと思います。
逆に小説を読んでから読むと、ものすごい情報量が微妙な表情に詰め込まれているのを感じられたりしてすごいです(深刻な語彙力不足)
センセイと僕
教育現場の皮をかぶってますがアイドルとヲタクの「認知」についてを描くアイドルものの作品です。
(感想には個人差があります)
これのアイドルもの感はすごいのでぜひ読んでみてほしいです。
さっきから読んでみてとしか言ってない気がするけど気のせいでしょう。
うん。
大盛
わびさび
ギャグというかトンデモ展開を豪快にドーン!
ひとつまみの百合をファサー!
みたいな短編集です。
たまに普通っぽい百合も混じってます。
特盛(上級者向け)
青春の光となんか
一言でいえば劇薬。
これぞ平尾アウリせんせーの本気。
かもしれません。
もしかしたら余力を残してるかも。
そのへんはちょっとわからないですが、多分このあたりが人間がぎりぎり美味しく食べられる限界の味付けだと思います。
もしこれ以上があったとしても、少なくとも僕はついていける自信がありません。
ちなみにまだ半分も読めてません。
タイトルを青春と光のなんかと誤認しがち。
「青春の光」と「なんか」ですね。
単行本未収録作品
掲載情報はあるものの、古本通販サイトとかを見てもバックナンバーが見当たらないので読めないし僕自身も読めてません。
まんつくの先輩の弟の先輩の言葉が重くのしかかりますね……。
アンソロジー
単行本ではないですが読めます。
現在はこの辺を漁っています……。
エクレア
何故か常に巻末に安置されてて謎の地位を確立している感があるアンソロジーです。
作品としてはいずれもギャグ兼百合という感じで、平尾アウリせんせーっぽさが強く出ています。
ノリというかベクトルとしてはわびさびが近いかな……?
現在5冊出ています。
内容をざっくり紹介すると、
- 無印:アイドルとビジネス百合
- bleue:男子校と百合
- blanche:魔法少女と百合
- orange:ポケモンと百合
- rouge:Vtuberとケードロとシャンシャン
みたいな感じです。
わけがわかりませんね。
個人的にはorangeが頂点に狂い咲いてる感じで最高オブ最高です。
そんな感じで
ギャグの濃度で分けるという試みをしつつざっくりと紹介してみました。
ただ読んでるうちにもはや一周回ってギャグがないのが面白いみたいに感じているところもあるので分け切れているかについては若干不安があります。
何はなくとも青春の光となんかは推し武道ロスの特効薬となりうるので、
アニメも観たし原作も38話まで読んじゃった、続きが待ち切れないどうしよう!
という人は購入を検討してみてはいかがでしょうか。
ぶっ飛んでる作品という意味ではエクレアのorangeもとても好きなんですけどね。
4ページとあとがきに1000円払えるかというと少し考えどころかも。
いや、あるいは1コマ目だけでその価値はあるから残りの部分がプラスでむしろお得かもしれませんが……。