マーケットの魔術師を読んだ。相場に立ち向かう勇気を学べる本ですね。
勇気と射幸心は区別がつきづらいものですが。
マーケットの魔術師
どんな本か?
と一言で言うならば、扱う商品の種類は問わず相場取引で成功をおさめたトレーダーに対するインタビュー集です。
上記に付随して、インタビュー前後の小ネタだとかインタビュー自体への考察なども含まれてはいますが。
例によってAmazonプライム会員なら無料で読めるシリーズです。
プライム会員は初月無料なので、月末に解約するのも大いにアリだと思われます。
インタビュー集。
インタビュー集とだけ言うと若干イメージがわきづらいかも知れませんが。
要するに、トップトレーダーに対して似たような質問をぶつけまくってみた、ということです。
それによってまったく異なる回答がある一方で似たような回答がある……ということを狙ってるわけですね。
そこになんか、トップトレーダーに必要な考え方とか価値観を見いだせるのでは?
ということです。
普通に面白い。
これは僕が相場に興味があるからというのもあるのかもしれませんが、単純に内容自体も面白かったです。
トレードで成功するような人たちだけあって、哲学というか自分なりのスタイルというものを確立しているというか、なんというか。
そういう人たちの言葉は独特の魅力があるよなあと思うわけです。
まあ翻訳されてますけど。
あとけっこう皆さん普通に数千ドルくらいはぽんぽんふっ飛ばしてるんですよね。
そのへんの波乱万丈具合も面白いですね。
僕も割と他人事ではないので、他人の不幸はとか言ってる場合じゃないんですけど。
成功してる人も似たような経験をしてるんだ……というのがよくわかる、という意味で射幸心勇気の出る本とも言えます。
印象的だった言葉
いろいろとありはしますが、一番はエド・スィコータのインタビューのこの一節。
勝っても負けても、皆自分の欲しいものを相場から手に入れる。負けるのが好きなように見える人もいる、だから、彼らは負けることによって手に入れるんだ。
相場で損して、「損した!」と触れ回ることで周囲からかまってもらえることを望んでいるタイプの人は確実に存在する、らしいです。
なんとなくわかってしまうような気がして恐ろしいものを感じます。
本文でも病気が例に挙げられていましたが、引きこもりだったはずなのに、養ってくれる人がいなくなった途端に普通に生活し始めたみたいな話と似たようなものかな……と感じました。
トレードの道徳の教科書。
簡単ですが、そんな感じの紹介でした。
トレードの哲学というかルールというのは人によって異なっている……と一口に言うのは簡単ですが、本当にさまざまに違っていて面白いです。
上っ面だけを見ると真逆のことを言っていたりしますからね。
それでもどちらも成功している。
細かいことは本当にどうでもいいんだなあと感じられます。
誰にでも当てはまる絶対がないものを学ぶ、ということでなんとなく道徳の教科書的なものだなと感じています。
トレードにおける道徳。
そんなんあるのか知りませんけども。