DDD!ダークデイズドライブ(通称汚いFF15TRPG)を購入したので紹介する。

Dark Days Drive。

かつては栄華を誇った吸血鬼も、いまは昔。
現代を舞台に、ひっそりと存在する吸血鬼社会で吸血鬼にアゴで使われる下僕『イケメン』となり、成り上がりを目指すTRPGです。

下僕系イケメンTRPG

この作品、なんとジャンルが『下僕系イケメンTRPG』。
アマゾンに載ってる紹介文もこんな感じ。

吸血鬼のご主人様と一緒に、従者として全国を車で旅しよう。ご主人様の無茶振りや襲いかかるトラブルに対処しながら、楽しく旅を続けていれば、いつか吸血鬼にしてもらえるかも!

(日陰者である吸血鬼にとって)暗い世界を(たいていはボロ車で)旅する日々。
それが、ダークデイズドライブです。

串刺し公とかドラキュラ伯爵とかに謝ったほうがいいような気分になってきますが、たぶん気のせいでしょう。

下僕系イケメンTRPG?

さて、まずはこのパワーワード感あふれる単語について解説しておきます。
このパワーワードと前項の世界観を理解してしまえば、もうだいたい何をやるゲームか把握できたも同然です。

下僕系イケメンとは?

これはプレイヤーのことを指しています。
何の下僕かといえば、もちろん吸血鬼です。
吸血鬼の美しい従者。
つまり、下僕系イケメンというわけです。

ちなみに『イケメン』とは、現代における吸血鬼従者に対する隠語、という設定があります。
この隠語は時代とともに移り変わっているとかなんとか(詳しくは本で確認してください)。

さらにちなみに、このイケメンは吸血鬼に仕えてはいるものの、ただの人間です。
どっかのマスカレードとは毛色が異なるので注意が必要ですが、その注意が必要な人間は少ないですから大丈夫でしょう。

なんでイケメン?

吸血鬼といえば、耽美の代名詞ともいえる存在です。
アンケートをとったら、『そう思う』と『たぶんそう思う』が8割を超えるでしょう。
そして彼らはそのセルフイメージをとても大切にしています。

現実的に考えても、人間社会から隠れてひっそりやっていくためには、自己を律することのできる強い精神力が必要です。
好き勝手に人間の血を吸った吸血鬼がどうなったかは、歴史が証明してくれていますよね。

その辺の理想と現実、趣味と実益の妥協点の近いところにある取り決めが、『イケメンであれ』という一言には込められています。
当然プレイヤーであるイケメンも、イケていることが求められます。

従者がイケている必要があるのか?と思われるかもしれませんね。
ですが、これは大いに関係あります。
むしろ吸血鬼よりもイケメンのほうが、イケていることに対するモチベーションは高いといえます。

イケメンの目的

イケメンのモチベーションの高さ。
それは、『吸血鬼になりたい』という目的からきています……まあ、当然ですね。

では、なぜイケていることが、吸血鬼になることにつながるのでしょうか?
その理由は、現在の吸血鬼社会の仕組みにあります。
というのも、吸血鬼社会はひっそりやっていくために吸血鬼の数を絞っているんですね。

つまり、吸血鬼になれるチャンスがそもそも少ないのです。
そのうえ、ライバルのイケメンも数多く存在しています。

そして、もし吸血鬼の数が減ったときに、自分が吸血鬼になれるかどうかを決める要素。
それが、『如何にイケているか?』ということなのです。

そんなわけで、イケメンたちは吸血鬼にアゴで使われながら日本を旅して、観光しつつ任務(だいたい犯罪)をこなしていくことになります。

面白ポイント。

さて、ざっくりと世界観を説明したところで、ゲームの内容について紹介してみます。
といってもルール的にはサイコロフィクションです。
エクセルシートみたいな表に技能がばーっと載っていて、指定された技能から何マス離れているかで判定の難易度が決まる、あのシステムです。
経験済みの方なら問題なく入っていけると思いますし、一度理解してしまえば特に説明は不要のはず。

というわけで、ここではDDDならではの面白ポイントを紹介していくことにしましょう。

貧乏とトラブルが満載の旅行。

初っ端からつらい感じなんですが。
ひっそりとした吸血鬼社会の駆け出しであるイケメンのあなたがたは、残念ながら満足な旅行をすることは難しいです。

吸血鬼、およびその部下のイケメンたちは、吸血鬼社会の指示を受け、遠隔地での任務に赴きます。
なぜ遠隔地かというと、地元だと足がつくからという説明がされていますが、僕の友人はFF15にインスピレーションを受けたからだって言ってました。

たいていの任務では、1日がかりで目的地に向かうことになります。
そして旅行というのは楽しくも疲れるもの。
その疲労は、あなたたちを徐々に蝕んでいくことでしょう。

たいていの吸血鬼は余人には理解しがたい、独自のイケメン性を持っています。
そうしたイケメン性の違いは、あなたたちの旅行に対してちょっとどころではない刺激(トラブル)をもたらすでしょう。

そしてたいていのイケメンは、悲しいほど貧乏で、なおかつ普通の人間です。
どれだけ旅行で疲れていても、高級なホテルで十分な休息を取ることは難しく。
どれだけ吸血鬼のイケメン性に反発したくとも、面と向かって抵抗するのは難しいでしょう。

イケメンは失敗しない。

次は、イケメンであるプレイヤーがひとつだけもっているメリットを紹介します。
それが、『イケメンは失敗しない』ということです。

どういうことかといいますと、いわゆる『負けないロールプレイ』をルール化したものになります。
負けないロールプレイは、かっこいいキャラクターのセルフイメージを保護するために昔から行われている演出技法です。

たとえば、情報収集の判定で失敗したときに、「それは俺が語るべきことではない」などと知っているけど言わないだけという様子を装ってみたり。
攻撃を回避し損ねたときに、「どの程度かと期待したが……大したことはないな」などとわざと食らってあげたと言わんばかりの発言をしてみたり。

ゲームである以上、どれだけかっこいいキャラクターであっても、ダイス目によっては失敗が避けられません。
しかし、普通ならかっこ悪く終わってしまう失敗を、あの手この手で修飾することで『自分は負けていない』と周囲にアピールし、かっこいい自分というセルフイメージを保護するわけですね。

DDDでは、失敗しても一定の悪い効果を受け入れることで、もともとの目的を達成できるようになっているのです。
好きなだけ失敗して、「いやでも負けてない」と言い張ることができます。

もちろん素直に成功するのが一番ですし、このルールが適用されない判定も存在します。

血戒(ブラッドアーツ)!

最後は吸血鬼が持つ特殊能力をルール化したブラッドアーツについて紹介します。
ブラッドアーツはゲーム的には3種類存在しています。
大量のお金を取得する、戦闘に勝利する、完全に回復させるなどいずれも強力な効果で、ミッション達成のための強力なブレイクスルーとなります。

もちろん、こんなギャグテイストのゲームでデメリットもなしにそんなブレイクスルーを使えるはずはありません。

これらのブラッドアーツは使用すると吸血鬼の精神に悪影響が出ます。
普段は抑えている欲望が駄々漏れになってしまうわけですね。
その状態の吸血鬼はまさにトラブルメーカーで、イケメンたちを苦労させることになります。

『そんなに大変なら、使わせなければいいじゃないか』

イケメンのあなたなら、ここでそう思うことでしょう。
でも吸血鬼は、イケメンたちがあまりにふがいないと自発的にブラッドアーツを使用してしまうのです。
具体的には、お金がなくなったときや、戦闘に負けたとき、全滅したときなど。
もちろんそんな状況になっている時点でかなりイケメンは追い詰められているわけですが、そんな細かいことを気にする吸血鬼ではありません。
もちろんブラッドアーツを使った後はしっかり吸血鬼は暴走します。
イケメンは、そのトラブル対応にも追われることになります。

吸血鬼にはなるべく力を使わせることなく、イケメンたちだけの力で任務を完了させたいものですね。

むすび:きっと楽しい珍道中。

というわけでダークデイズドライブ、通称汚いFF15の紹介でした。
データ的なところには触れてませんけど、サイコロフィクションでそれやっちゃうとルールブックが必要なくなってしまうので、雰囲気だけの紹介にとどめておきます。

汚いFF15ってなんやねんって方は、FF15の動画を少し見てみると大体つかめるんじゃないかなと思います。
ホストみたいな人たちが車に乗って世界を旅する作品らしいです。
僕は評判をチラッと聞いたり動画を見たりしただけなのでよくわかってません。
バグが楽しいらしいですよ。

ともあれイケメンな仲間たちと一緒に貧乏旅行を楽しむTRPG。
まだプレイはしていませんがなかなか楽しい予感がしています。
知らんかったけど楽しそうだなと思われた方は、手にとってみてはいかがでしょうか。

参考資料

公式サイト(キャラシDL、エラッタ確認など)

下僕系イケメンTRPG ダークデイズドライブ

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キャラクターシート倉庫

名前がなんかおかしいですが、普通にキャラクターシート倉庫です。


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