つまらない会社員を続ける勇気が出てくる本、お金持ち生活のつくり方。

お金持ちは、作れる。

読んでみての感想。

『この習慣が金運を呼び込む〜』みたいなオカルトを少しだけ期待してたんですが、見事に裏切られました。

お金持ちと呼ばれる人、あるいはいずれお金持ちになるであろう人たちの習慣を紹介するとともに、それらの習慣がなぜお金持ちをお金持ちたらしめるのか?
また、表紙にも書かれている『会社員こそが最強』と筆者が考える理由とは何か?

といったことについて、具体的に解説がされています。

ちょっと紹介。

それだけだと抽象的すぎるので、特に印象的だった部分を少し紹介してみます。

お金の参照点を下げろ!

『なぜかお金が貯まらない』という経験は誰しもあるのではないでしょうか?

これは、収入が増えるに従って無意識のうちにお金の参照点が上がってしまうからという説明がされています。

参照点というのは、絶対的でない、相対的な基準点のこと。

同じ一万円でも、学生の頃は大金だったのが、大人になるとそこまで大した金額に感じない……みたいなことですね。

冷静に考えると一万円の価値は変わっていません。
でも、参照点が上がることで自身の金銭感覚がおかしくなってしまうわけです。

また、一度上がった参照点を下げるのが苦しいということにも触れられています。

学生時代ならなんとも思わなかった節約生活を、会社員、それもある程度のキャリアを積んだ人がするとどうなるか。
途端にみじめな気持ちになるであろうことは、想像に容易いですね。

どれも言われてみれば当たり前のことで、誰しも思い当たる節があるはずです。
ですが、こうして客観的に説明されると少しは『どうにかしよう』という気持ちになれるはずです。

僕も決して裕福な家庭だったわけではなく、携帯ゲーム機などは『手の届かない贅沢品』というイメージをずっと持っていたんですが。
働き始めて、あるときに「あれ? 買おうと思えば買えるじゃん」ということに気付いてしまったあたりで一気に参照点が上がったような気がします。

本当の可処分所得を考える

本書は基本的に『安定収入のある会社員がいかに貯蓄をしてそれを投資に回し、そのリターンでお金持ちになる』という方法を提案する本です。
なので投資についてもがっつり触れられているのですが、そのなかで特に印象的だったのがこの話。

これは投資に限った話ではないのですが、本業の収入に加えて幾らかの収入が発生する状況において、その影響は金額以上に大きい、という話です。

ポイントとなるのは『本当の可処分所得』。

可処分所得というのはいわゆる『手取り』のことですが、ここでは生活費なども差し引いた『自由に使えるお金』を『本当の可処分所得』と呼んでいます。

例えば収入が22万円の人が、投資で2万円を稼いだとしましょう。
生活費は20万円(本書の例です。これ以外にも、若干この筆者の感覚に首を捻りたくなる部分はちらほらあります)とします。

投資で稼いだ金額は収入全体と比べると1割にも満たない微々たるものです。

しかし、『本当の可処分所得』で考えるとどうでしょうか?
まったく同じ金額……つまり、『本当の可処分所得』が2倍になったのと同じ状態です。

このように、たとえ収入全体と比べればわずかな金額でも、生活費を除いた『本当の可処分所得』で考えれば十分に満足できる金額である可能性が高い、ということになります。

そう考えると、無理に『資産を倍に増やしてウェーイ』みたいな危険を犯す必要がないことがわかります。
いやまあ、資産を溶かしまくってる僕が言っても説得力ないですが。

面白いのは追加分の収入の考え方は、投資以外、たとえば副業なんかでも成り立つってことですね。

たとえわずかな金額でも、相対的には大きな稼ぎである。

そう思えば、少しは続ける気力も保ちやすくなるんじゃないでしょうか?

ついでにこれは強力な『会社員を続ける理由』にもなります。

『投資で成功しやすいのは実は会社員だった!』

そう思うことができれば、会社員をこのまま続けるのも悪くないかも……なんて思えるかもしれません。

そんな感じで。

とまあそんな調子で、『言われてみると当たり前だけど、改めて言われるとハッとさせられる』みたいなことがいろいろと書かれている本でした。

他にも服装のことだとか、人に奢るということだとか、少数派を目指すべしとか……成功する人がなぜ成功するかという仕組みの部分を解説していて、またそれらがいちいち正論で。
しかもそれらが整理されて書かれているので、何度か読み返してまるごと頭に入れたくなる本でした。

ちなみに、これと同時期に読んでいたウォーレンバフェット名言集みたいな解説本ともリンクする部分が多かったです。

インベスターZにも『お金持ちになる王道は種銭を作って投資で増やすこと』みたいな話が出てきてました。
やっぱりなんかそういう仕組みがあるんだろうなあ……と、ひたすらに頷いています。

頷くばかりだとアレなんでとりあえず働くところからですけど……。

Prime Reading対象。

この本、Kindle Unlimited会員でなくてもプライム会員なら無料で読めるというのもうれしいところ。

iOSなら音声読み上げ機能を利用して、何度も聴いて覚えちゃうのもアリかもしれません。
そんなわけで、一見するとオカルト臭いけどなかなかおすすめですという紹介でした。

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