対人関係のバイブル『人を動かす』は、ヲタクの厄介問題を解決できるのか?
人を動かす、という本があります。
人間関係について解き明かした名著中の名著、みたいな扱いを受けているくらいの名著です。
紹介が雑ですまない。
僕も読みながらいろいろと影響を受けました。
この本の内容をもとに、ヲタクライブにおける厄介問題についてどうにかできないものかと考えてみました。
人を動かす #とは
まず、本の内容について軽く触れてみます。
この本で語られている内容は、要するに『北風と太陽』です。
つまり、人を動かすためには力づくではダメで、その気にさせてやることが必要……みたいな話です。
また、人はあくまで『自分が悪いとは思わない』ということも繰り返し語られています。
客観的に見て、弁解の余地がなさそうな犯罪者であっても、本人の感覚では『自分はこんなに頑張っているのに、世間は評価してくれない』と思うようです。
この本では、そんな人間あるあるに対して、『相手をその気にさせる』ための方法を詳しく記載しています。
その方法もいろいろとありますが、その根底にあるのは『相手を本心から認めて、褒める』ということです。
ここで大事なのは本心からという部分で、いわゆる『お世辞』ではない、ということに注意が必要です。
……なんて感じの本、なのですが。
あくまで個人間の話。
これ、あくまで個人間の話なんですよね。
どういうことかというと、冷静に話し合える環境で、どちらかといえば一対一、多くても少人数同士の話を扱っているのです。
ライブにおいて、この条件を実現するのが不可能であるのは容易に想像できます。
観客同士で具体的な応援行為の線引きをするなんて、それこそ厄介でしかありませんし。
また、多人数の中で一緒に叫んでいる時の人間は、だいたいの場合群集心理的なものが働いています。
後から振り返ると、なんであんなことをしたのかわからない……というやつですね。
雰囲気に流されるとも言えます。
客ができることとは?
以上のことを踏まえると、やはり観客ができる最適解というのは限られてきそうです。
すなわち、悪評を流さないこと。
これに尽きます。
客を『マナーの良い最高の客』として扱うことで、客自身に自覚を促すということですね。
同時に、目に余る場合は通報を徹底する必要があります……が、対処するのは客であってはなりません。
客同士でトラブルを扱うのは、問題の拡大にしかなりえません。
やっぱりどうしようもない。
まあ、どうのこうのと言ってはいますが、こっちの要求は単純です。
大声で叫ばれるというのは我慢とかどうとか以前に邪魔。
ただそれだけなんですよね。
でもたぶん……それは、多人数の文化の異なる人が集まる場所ではどうしても起きてしまう問題なのでしょう。
厄介とは違いますが、完全にマスになっている一部楽曲でのリズムや譜割りを無視したオーイング。
あれも、まったく消える気配がありませんが、同じことですね。
彼らはまったくもって、自分が厄介と思われている……などとは、思いもしていません。
地蔵は他界せず、ただ消え去るのみ。
嫌なら現場に来るな。
厄介の言う身勝手なロジックではあるのですが……実際のところ、どうしようもなくそれは正しいのでしょう。
ライブに対して嫌な要素がある人間と、ない人間。
どちらが長くライブに通い続けることができるかを考えれば、どちらが生き残るかは火を見るよりも明らかです。
問題というか、一つだけ癪なのは、ライブに嫌な要素がある人間は、ライブが嫌なのではなくてライブに嫌な要素がない人間が嫌というところなんですが……。
要するに、そもそもお前らがいなければ何も問題はないんだよ、という。
ただ、彼らも同じようにお金を払っていて、彼らの楽しみがナチュラルに僕らの楽しみを奪う以上は、きっとどうしようもないことなんでしょうね……。
人を動かすという本。
こんな感じで、厄介に諦めを抱くために役に立ちます。
こんなゴミどもと同じ空間にいるくらいなら円盤でよくない?