イケハヤさんの片付け論の収納を空けろって話と、クッキークリッカーについて。

片付け論の読書感想文。

他の部分ですでに書いてるんですが、僕がこの記事を読んで一番印象に残ったのは『収納は空けろ』ということです。
いわく、「収納をぜんぶ埋めてしまう、それこそが片付かない原因」とのこと。

で。
この埋めておきたい気持ちっていうの、僕、すごいわかっちゃうんですよね……。
ふと気付くと、自分の領域をいっぱいにしておきたくなるんです。

考えてみると、原因としては2つくらいあるのかなと思いました。

  • 領域を埋めておくことで、動けない言い訳をしたい。
  • 領域の部分効率を高めたくなる。

動けない言い訳をしたい。

別の記事でも書かれてるんですが、片付ける=余白を作る=変化に対応できる、とあります。

これはほんとにそのとおりですよね。余力があるから別のことができるわけで。
終電まで働いていると仕事以外何もできなくなることを考えれば、当然のことです。

でもこれ、裏を返すと、余白がなければ変化しなくて済むってことでもあります。
人間は本能的に変化を恐れる動物である、というのは一度くらいは聞いたことがあるかと思います。
そんな、変化を恐れる人間にとっては、余白という変化の余地は、本能的に『排除すべきもの』なんでしょう。

部分効率を高めたくなる。

唐突なんですが、箱庭ゲーが好きなんです。
サンシャイン牧場とか、もう通じないですかね。あとはクッキークリッカーとか。これも古いか。
この手のゲームって、どんなに同じ作物を作っても同じ価格で売り払うことができますから、周囲の状況を見て、作る作物をコントロールして……なんてことは必要ないわけです。

クッキークリッカーに至っては、売るなんて発想すらないですよね。
ひたすら生産効率を高めるだけ。でもそれが楽しい。

この手のゲームに熱中できるタイプの人は、収納についても似たような考えをしてしまうんじゃないでしょうか。
『なんのための収納なのか』じゃなくて、『この収納のデッドスペースはどうモノを配置すれば埋められるか?』を考えてしまうというか。

要するに、収納そのものを効率よく利用することに意識が向いてしまうんですよね。

なんのための収納なのか?

そもそも、と考えると、収納というのは収納を目的として作られたものではありません。
自分がよい生活をするために、モノを保管しておくと便利だから、収納が作られたし、使っているわけです。

ただ、よい生活なんてものに明確な定義はないし、モノを手に入れるたびにそんなことを考えていたら、時間がいくらあっても足りません。
なので、目的を『収納すること』そのものにすりかえて、思考停止してるわけです。

引き出しとか、少し汚くなってくると『あー整理しなきゃー』って思うけど、思ってるうちにさらに荒れてきて、そのうち『まあいいか……』なんて諦めの境地に達する。
こんな経験、ありませんか? 僕は書いてて悲しくなるくらい思い当たります。

これも、最初のうちは『よい生活をする』という目的が意識できていたはずだけど、そのうち思考停止してしまう……というパターンですよね。

クッキークリッカーと収納の違い。

クッキークリッカーだって、冷静に考えて、画面からはみ出るくらいの桁数のクッキーを作ったって意味ないじゃないですか。

ただ、クッキークリッカーは能動的な行為です。
ブラウザを開いてクリックするという行為が伴うため、それが無駄だと気付くチャンスになっているわけです。
これによって、大多数の人はすごい勢いで冷静になり、自分の時間を取り戻すことができました。

その一方で収納は、収納したらそれで終わりです。
場合によっては二度と意識しないことすらありえます。
これによって、大多数の人が、自分が思考停止に陥っていることに気付くこともなく、知らず知らずのうちに生活空間を脅かされています。

むすび:『何のために』ってほんと大事。

というわけで、片付けの話を見てたらなぜかクッキークリッカーに話が飛びました。
収納することが目的になってる人は、人生を棚卸しする必要があるのでは……と思っています。僕です。

実際のところ。
何ヶ月かゆっくり休みつつ、自分が何をしたいのか、というのを考える時間がほしい。
なんて思いながら日々を過ごしてます。

そんな時間があっても、何もしない自信がありますけどね! HAHAHA!

それはそれとして、なんか最近、何を考えても、結局『何のために』ってところに話が行き着くなあ、と感じています。
それだけこのことが大事で、みんな見失いやすい部分、ってことなんでしょうね。

P.S.の向こう側

全体の効率を考えるってことで、当初は『ザ・ゴール』とかと絡めて話をしようと思っていたのに、なんかクッキーの話になってしまいました。どうしてこうなった。

ザ・ゴール、製造の現場での全体最適の話なんですけど、いろいろ省みて、人の生き方についても応用できるのかなあ、なんてことを思っています。
弱い自分、強い自分、さまざまな自分がいて、同じ人生を作り上げていく。

(当初思い描いていたこと)

  • って考えると、人生ってのもプロジェクトなんだろうなあ。

(最終的な成果物)

  • クッキークリッカーと収納の違いについて。

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