サイリウムがやっぱり嫌いである。

もはや意地になっていると言われればそのとおりなのかもしれない。

のだけれど、やっぱり手元でピカピカ光るのは気が散って仕方ない。
持つとしても操作が煩わしい。
少しでも演者のパフォーマンス以外に気を取られる可能性を残したくない。
そう思って、だから積極的にピカピカヲタク棒を嫌っている。

照明は照明のプロがいるのだし、わざわざこちらから視界を邪魔するようなものを持つ理由・・・? と考えると、やっぱり持つ理由がよくわからない。
少し調べれば、西城秀樹のコンサートで客席が見えないから・・・というのが発祥だと出ては来るものの、それこそ現在ならいくらでも客席は照らせるような気がする。

いや違うのかな。やっぱりそれぞれの手元が光るのと、照明で照らすのは違うのかもしれない。
ただ、あくまでオタク棒は道具であって、なくても成立するし、ないといけないものになってしまうと、それはなんか違うんじゃないか。
そう思う。

まあ、すっかり自分一人だけオタク棒を持っていないという状況に慣れきってしまったからこその意見なのだろうけれど。


だが、発祥こそ確かに客席を観たいという要望からだが、少なくとも一部の人間は確実に演者の視線を集めたいがために光っているのは間違いない。
そしてその道を極めた先には、ヲタクのおっさんが棍術の演舞をしている姿しか見えない。


事あるごとに言っているが、コールを含めて、ヲタ芸は暇つぶしだ。
本当に演者のパフォーマンスに見惚れていたら、息をするのも忘れて見入ってしまうのが自然だと思う。

たとえば、大好きなアイドルを目の当たりにした幼女のように。
口が空いているのにも気付かず、目をキラキラとさせてただただ呆然と見守る。
それ以上に、大きな感動を表現する方法はない。


僕はそう信じている。
僕はそれを目指したい。
間違っても、棍術を極めたおっさんにはなりたくない。


つまるところ僕は幼女になりたい。

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