Aqoursの楽曲はなんでソロが少ないのか?

ということを考えていた。
聞き比べるとすれば当然μ'sの楽曲とだが、ぼらららでは、今聞いてみてもかなり誰が誰かがわかる。
(多分に間違っている気はするけど)
ノーチェンの方では真姫が見つけづらく、ことりが行方不明だったが。

まあ、いくら気持ちは新参といっても、なんだかんだで2年間触れてきているわけで、音感が育っているのだろうとは思う。
ただ、聴いていると、実際、声の位置がμ'sの方はバラバラだが、Aqoursは一箇所から出ているように感じる。
聞き分けができないから混じって聞こえるのかもしれないが。

もしや、分けてみたけどあまりキャラで歌えていない・・・分けてみても、結局、誰が誰だかわからない・・・から、いっそ混ぜて、わからないようにしたのだろうか?

とも思ったが、やはりそこはプロの仕事だから、ポジティブな方向に何らかの意図が働いていると考えたい。
と思ったときに、そういえばと思い出したのは、演者の公開タイミングである。

いまさら引き合いに出すまでもないだろうが、μ'sがμ'sになったのは、シングル2枚目からであり、厳密にはSnow halationがμ's名義の一枚目のシングルだ。
そしてラブライブ! という企画の一枚目のシングル発売時点では、中の人は公表されていなかった。
いまさら過ぎて若干したり顔で記述するのが恥ずかしいけれど。

一方でAqoursは、出鼻から中の人を公表し、ユニット名を決定した上で一枚目のシングルを発表する、という順番だった。
これを見て、そういえばごくごく序盤に、売り方を変えたんだなあ・・・という思いと、神秘性は捨て去ったのか・・・?
という思いを抱いた覚えがある。

これも今更といえばいまさら過ぎるのだが、アイドルにとって、神秘性は命ともいえる。
いやまあ、最近は逆に、オープンにすることで知らない面を強調して神秘性を担保しているようだが。
いずれにしろ、当初のラブライブ! では、まだアイドルというジャンルに疎いアニメヲタクにとっては、この声は誰が出しているんだろう? という思いが、そのまま対象への興味となった(はずだ)。

最近、声優アイドルという分類が出てきているが、これも声優という仕事が声しか聞くことができないために神秘性を確保しやすいから・・・だと考えている。
というか、もともと、声優というのがアイドルとは別路線だが神秘性が必要な職業なのだろう。
アイマスにおける10年前のくぎゅが、ライブ映像に自分の顔が映るのがNGだったように、キャラクターのイメージを壊したくないから、あまり表に出たくない・・・という考えは今も一般的だ。

話が逸れたが。

この神秘性の確保という目的で、アニメヲタクへの希求力として、歌い分けをわからなくさせたのではないだろうか、という仮説を思いついた。
設問の置き方を、この声は誰が出しているか、ではなくて、誰がどの声を出しているか、という方向に転換したとも言える。

これにより、昨今のアイドルアニメ企画によって飼い慣らされた、声優がアイドルのキャラクターの模倣をしてアイドルをやるという試みを面白がるファンを確保しつつ、中の人が誰かは気になるけど別に好きではない、というアニメヲタクの興味も惹きつけるという戦略なのではなかろうか。

実際のところ、それが気になっている人は多いし、現に僕も、今後の楽曲でソロが増えることを熱望してしまっている状態だ。

というわけで、なんでソロが少ないのか? という問いに対しては、ヲタクを惹きつけるため、ということで結論とする。

B! LINE